研究実績の概要 |
鳥インフルエンザウイルスによる宿主域の障壁突破は、ウイルス-ヒト宿主間の不適合性によって制限されている。申請者はこれまで、鳥インフルエンザウイルスが感染患者内で獲得するヒト適応変異を網羅的に探索することで、新規のヒト適応変異群を同定してきた(Arai Y et al, PLoS Pathog 2016、Watanabe Y et al, Mbio 2015)。これらの研究成果を発展させ、本研究は当該変異群を導入した組み換えウイルスをヒト適応化モデルウイルスとして用いることで、ヒト細胞内でのインフルエンザウイルス複製に必須の宿主因子を同定することを目的とする。さらに、同定した宿主因子に結合することでウイルス複製を抑制するリード化合物を探索し、その抗ウイルス作用を評価することで、新規抗ウイルス薬開発に向けた有用性を見出す。 本年度は、LC-MS/MSによる解析により選出したヒト細胞内においてモデルウイルスポリメラーゼ蛋白質が特異的に結合するヒト宿主因子群をノックアウトした細胞株を複数作出した。
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