進行性多巣性白質脳症はJCウイルスにより、主に免疫抑制状態の患者で発症する脱髄疾患である。マイクロRNAはゲノムにコードされる20塩基ほどの短いRNAで、他の遺伝子の発現を調節する。 本研究ではウイルス由来マイクロRNAを検出するin situ hybridizationの技術を確立し、進行性多巣性白質脳症の組織標本上でウイルス由来マイクロRNAが感染細胞の核に発現することを世界で初めて示した。培養細胞を用いた実験系では、ウイルス由来マイクロRNAがウイルス自身の増殖を抑制することを明らかにした。 ウイルス由来マイクロRNAを標的とした、感染症の新しい病理診断や新規治療法の開発が期待される。
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