研究課題
若手研究
我々の腸管内腔には莫大な数と種類の細菌によって構成される腸内フローラが形成されている。以前より、加齢に伴って腸内フローラのバランスに乱れが生じることが知られていたものの、その発生機序は明らかとなっていなかった。本研究により、加齢に伴いT細胞もしくはB細胞においてp16INK4aの発現が増加することにより、パイエル板の免疫グロブリンAの産生機構に変化が生じ、腸内フローラのバランスの乱れにつながることが明らかとなった。
免疫学
本研究を通して、加齢に伴う腸内フローラのバランスの乱れの原因が、T細胞およびB細胞の老化に伴う免疫グロブリンAの機能変化であることが示唆された。今まで明らかとなっていなかった加齢に伴う腸内フローラの破綻機構の一端が明らかになったともに、加齢に伴う腸内フローラの破綻の予防もしくは回復を人為的に行える可能性が示された。従って、本研究は、腸内フローラの破綻が影響していることが知られる加齢性疾患の新たな予防法や治療法の開発につながることが期待される。