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2019 年度 実績報告書

T細胞分化におけるDNA脱メチル化酵素TETの機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K15198
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中司 寛子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90749334)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードTET / DNAメチル化 / Tfh細胞 / 腸内細菌
研究実績の概要

T細胞特異的Tet2/3欠損マウス(CD4DKO)におけるT細胞異常増殖分化メカニズムの解明として、本年度はDKOマウスにおけるTfh細胞分化機構の解明および病態に関与する腸内細菌の同定を試みた。
DKOマウスにおいてT細胞はTfh細胞様の形質が見られIL-21の高産生が認められるが、IL-21はTfh細胞から多く産生されること、Tfh細胞分化には転写因子であるBcl6, cMafが重要であることが報告されていることから、DKOマウスをIL-21受容体欠損マウス、Bcl6-floxマウスおよびcMaf-floxマウスと掛け合わせた(DKO/21RKO, DKO/Bcl6KO, DKO/cMafKO)。その結果、いずれのマウスでも脾臓およびリンパ節の肥大が部分的に抑制され、PD-1(+)CXCR5(+)Tfh細胞の発現が抑制された。また、DKO/21RKO, DKO/cMafKOより採取した骨髄を用いて骨髄キメラマウスを作製したところ、IL-21受容体もしくはcMaf欠損により寿命の延長が認められた。これらの結果より、IL-21シグナルおよびcMaf、Bcl6がDKOマウスにおけるTfh細胞分化に関与している可能性が示唆された。
また、DKO マウスにおいて病態発症に関与する腸内細菌を同定するため、抗生物質投与実験および糞便中の腸内細菌叢の解析を行った。その結果、WTとDKOマウスでは糞便中の構成細菌が異なり、その中でもmetronidazoleが活性を示す嫌気性菌であるBacteroidaceaeおよびHelicobacteraceaeに属する菌がDKOマウス病態に関与する可能性が示唆された。
以上の結果より、Tet欠損マウスにおいて、腸内細菌によるTCR刺激とIL-21シグナル、cMaf、Bcl6がT細胞分化および異常増殖に関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] T細胞分化におけるDNA脱メチル化酵素Tetの機能解明2019

    • 著者名/発表者名
      中司寛子、吉村昭彦
    • 学会等名
      大阪大学第13回若手研究フォーラム
  • [学会発表] Gut microbiota mediate T cell senescence in Tet-deficient T cells.2019

    • 著者名/発表者名
      中司寛子、吉村昭彦
    • 学会等名
      第48回日本免疫学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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