TP53は条件付きがん遺伝子なのか？

2019 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18K15207
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分50010:腫瘍生物学関連
• 研究機関: 岐阜大学
• 研究代表者: 波多野 裕一郎 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10456543)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: がん関連遺伝子 / TP53 / 高異型度漿液性癌

研究成果の概要

生体内でのTP53遺伝子変異の機能的意義を解明するために、代表的なTP53遺伝子変異がんである高異型度漿液性癌の遺伝子および臨床病理学的解析を行った。がん細胞のp53蛋白の異常発現パターンはTP53遺伝子の変異パターンと密接に関係していたが、がん細胞に過剰発現している変異型p53の臨床病理学的意義は不明であった。機能獲得型p53変異体の機能的意義の解明は、TP53遺伝子変異ごとに詳細な解析が必要と考えられた。

自由記述の分野

病理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

高頻度に観察されるTP53遺伝子変異の機能的意義の解明は、がんの診断や治療の基盤となりうる。本研究では、TP53遺伝子の翻訳産物であるp53の異常発現パターンに注目して、TP53遺伝子変異が確定している高異型度漿液性癌の臨床病理学的特徴を解析した。変異型p53蛋白の発現と関連した特徴は同定できなかったが、TP53遺伝子変異パターンごとに症例を集積し、個別に解析することがTP53遺伝子変異の多様性の解明に繋がると考えられた。