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2019 年度 実施状況報告書

肺がん化学療法の感受性を獲得するがん免疫微小環境の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K15226
研究機関川崎医科大学

研究代表者

黒瀬 浩史  川崎医科大学, 医学部, 講師 (30551139)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードがん性胸水
研究実績の概要

本研究では、進行期非小細胞肺がん症例を対象として、がん局所の免疫微小環境が化学療法の治療効果に影響を及ぼすかどうかを明らかにする。肺がん局所の免疫微小環境を解析するため、がん性胸水検体を用いて、腫瘍局所浸潤免疫担当細胞の解析をフローサイトメトリー法で実施し、本研究における解析方法を確立した。胸腔穿刺後、胸水検体にヘパリンを添加して研究室へ運搬、遠心して上清を捨て、PRMIメディウムを追加し、Ficol比重遠心分離(400g×30min)を行い、スポイトにてリンパ球層(腫瘍細胞を含む)を回収し、これを液体窒素にて保存した。がん性胸水は多数の死細胞を含むため、死細胞染色(Fixable Viability Stain)にてこれを除外し、胸水中T細胞(CD3, CD4, CD8)、制御性T細胞(FoxP3+ Treg)その他の免疫担当細胞の割合および免疫チェックポイント分子、およびリガンドをフローサイトメトリー法で解析した。がん性胸水45例(当初48例であったが、後に乳がんによる胸水と判明した1例、複数回採取されていた2例、計3例を除外した)について解析を実施した。末梢血単核球と胸水中リンパ球を比較したところ、胸水ではFoxP3+Tregの増加は認めなかったが、CTLA-4+FoxP3+Tregが増加していた。また、T細胞上のPD-1発現が著明に上昇し、一方で増殖マーカーであるKi-67+CD3は有意に低下していた。患者背景を追加し、その後の治療内容および治療効果、予後との関連について検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床業務と並行して研究を実施中である点と、実験補助員の異動により解析作業がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

がん性胸水患者45例について、臨床情報として後治療の内容および治療効果情報を追加し、胸水検体の解析結果との関連性を検討する。

次年度使用額が生じた理由

当初2年計画であったが解析の遅延により研究期間を1年延長し、3年の予定としたため、繰り越しとした。繰り越した研究費は、前年度まで同様の検体解析費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Serum Antibody Against NY-ESO-1 and XAGE1 Antigens Potentially Predicts Clinical Responses to Anti?Programmed Cell Death-1 Therapy in NSCLC2019

    • 著者名/発表者名
      Ohue Yoshihiro、Kurose Koji、Karasaki Takahiro、Isobe Midori、Yamaoka Takaaki、Futami Junichiro、Irei Isao、Masuda Takeshi、Fukuda Masaaki、Kinoshita Akitoshi、Matsushita Hirokazu、Shimizu Katsuhiko、Nakata Masao、Hattori Noboru、Yamaguchi Hiroyuki、Fukuda Minoru、Nozawa Ryohei、Kakimi Kazuhiro、Oka Mikio
    • 雑誌名

      Journal of Thoracic Oncology

      巻: 14 ページ: 2071~2083

    • DOI

      10.1016/j.jtho.2019.08.008

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 肺腺癌患者に対するXAGE1長鎖ペプチドを用いたワクチン治療の安全性と免疫原性に関する試験(第I相臨床試験)2020

    • 著者名/発表者名
      黒瀬浩史、大植祥弘、頼住昇、田中仁美、八十川 直哉、阿部公亮、吉岡大介、小賀徹、岡三喜男
    • 学会等名
      第17回日本免疫治療学会学術集会
  • [学会発表] 非小細胞肺がんの免疫チェックポイント療法の効果を予測およびモニタリングする新規バイオマーカーの開発2019

    • 著者名/発表者名
      黒瀬浩史、大植祥弘、唐崎隆弘、福田正明、木下明敏、益田武、服部登、清水克彦、中田昌男、山岡誉明、二見淳一郎、山口博之、福田実、垣見和宏、岡三喜男
    • 学会等名
      第23回日本がん免疫学会総会
  • [学会発表] 肺腺癌患者に対するXAGE1長鎖ペプチドを用いたワクチン治療の安全性と免疫原性に関する試験(第I相臨床試験)2019

    • 著者名/発表者名
      黒瀬浩史、大植祥弘、頼住昇、田中仁美、八十川直哉、橘髙誠、阿部公亮、吉岡大介、加藤茂樹、小橋吉博、小賀徹、岡三喜男
    • 学会等名
      第60回日本肺癌学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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