感受性遺伝子の解明によって、本腫瘍の、個人の遺伝情報に応じた発がん機構をつきとめることが可能となる。その分子機構を阻害する分子標的薬によって、従来の非特異的治療を代替・補完するオーダーメイド治療の開発が成功すれば、本腫瘍に罹患した子どもや若者の生存率の向上のみならず、生存者の晩期合併症を軽減し、良好な成長発達と充実した社会活動を得ることができる。 胚細胞腫瘍には家族内発生例があることから、患者家族の生殖細胞系列において感受性遺伝子の変異を調べることで、個人の遺伝情報に応じた発症予測が可能となり、スクリーニング検査による早期発見早期治療といった2次予防に活用することができる。
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