研究課題/領域番号 |
18K15239
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
飯田 洋也 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30733901)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | NASH / 肝細胞癌 / メタボリックシンドローム |
研究実績の概要 |
肝細胞癌の原因として、ウイルス性肝炎、アルコール多飲歴などはよく知られている。近年はC型肝炎ウイルスの減少に伴って、肝炎ウイルスを背景とした肝細胞癌は減少しているが、その一方で非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を背景とした肝細胞癌が増加している。NASHからの発癌メカニズムは現在明らかにされていないため、そのメカニズムについての探索的研究を行った。NASHとメタボリックシンドロームは密接に関係しているため、肥満、糖尿病患者の肝臓において出現することが知られている、Proinsulin 産生骨髄由来細胞(Proinsulin(PI)-producing bone marrow-derived cells; PI-BMDCs)が、肝発癌に関与している可能性を模索した。2019年度は、PI-BMDCsの免疫染色プロトコールが完成し、NASH肝細胞癌患者の切除検体において免疫染色を行った。2014年から2018年のNASH肝切除例34例において、腫瘍部位におけるPI-BMDCs陽性群(n=19)の無再発生存率は中央値17.9ヶ月に対し、陰性群(n=15)は7.9ヶ月であった(p=0.03)。全生存率においても、PI-BMDCs陽性群の生存率が高い傾向(p=0.07)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PI-BMDCsの免疫染色のプロトコールの完成に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
前向きにNASH肝癌切除例の標本を集積し、組織中のinsulin mRNAの発現をReal-time PCRにて確認する。並行して、NASH肝癌マウスモデルを用いた検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
収支の端数である。
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