研究課題
血管新生に必須な接着分子integrin β1の細胞内膜輸送経路を制御するCUL3型ユビキチンE3複合体足場タンパク質ANKFY1の基質タンパク質を同定するために、愛媛大学が保有するヒト2万リコンビナントタンパク質アレイに対してアルファスクリーン結合アッセイスクリーニングを実施した。その結果、ネガティブコントロールの10倍以上のシグナルを結合陽性とした所、結合陽性と判定できたタンパク質は同定されなかった。そこで次に、狙い撃ちで膜輸送関連分子群との結合アッセイをアルファスクリーンを用いて実施した。その結果、複数のANKFY1結合タンパク質の同定に成功することに成功した。当該ANKFY1結合タンパク質のうち、細胞内膜輸送に関与する分子に絞って、ヒト臍帯血静脈血管内皮細胞で解析を進めた。その結果、1つの分子に関して、その過剰発現によって、初期エンドソームの形態が異常になり、integrin β1の細胞内局在が異常になる事を見出した。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、ANKFY1の結合タンパク質同定に成功したため。
2018年度に同定したANKFY1結合タンパク質が、実際にANKFY1依存的にユビキチン化を受けるかを、in vitro及び、細胞レベルでユビキチン化アッセイを行い、検証する。結合タンパク質探索に関しては、質量分析法を用いて更なる解析を進める。また、当該結合タンパク質の過剰発現、発現抑制によって、接着分子integrin β1の細胞内局在や血管新生に異常が生じるかを調べる。Ub化部位に関しては、質量分析を用いて同定を試みる。ANKFY1と当該結合タンパク質との結合を阻害する化合物探索のためのスクリーニング実施の準備を行う。具体的には、ハイスループットスクリーニングに耐えうるアルファスクリーンによる結合検出系の系を構築する。
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J Cell Physiol.
巻: in press ページ: in press
10.1002/jcp.28346.