既存の血管新生阻害剤は血管内皮細胞増殖因子 (VEGF)または、VEGF受容体を標的としており、今後の有効な癌治療のためには血管新生阻害剤のレパートリーを拡充する必要がある。本研究で見出したANKFY1とANKFY1結合タンパク質との相互作用は血管新生に必須であるので、当該相互作用に対する阻害剤は新しい血管新生阻害剤のシーズになる得る。モダリティとしては、低分子化合物だけでなく、核酸アプタマーや環状ペプチドが想定される。また、ANKFY1は細胞や組織によって、異なる結合タンパク質と相互作用し、細胞、組織毎に異なる機能的膜タンパク質を輸送している可能性があり、今後の詳細な機能解明が期待される。
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