研究課題/領域番号 |
18K15245
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
工藤 健介 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 消化管外科医師 (90801663)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 胃癌 / 食道癌 / 大腸癌 / METTL3 / RNAメチル化 / サルコペニア |
研究実績の概要 |
消化管癌の病態や予後について、骨格筋量や栄養指標との関連性を検証するために、食道胃接合部癌及び胃上部癌の手術症例において、術後サルコペニア、術後の骨格筋減少率、及びC反応性蛋白/アルブミン比が予後因子であることを発見した。上記研究結果は、当該年度に各々3報の英文論文として発表し、American Journal of Surgery、World Journal of Surgery、Journal of Gastroenterology and Hepatologyにそれぞれ掲載された。またこれらの研究結果は、第118回日本外科学会定期学術集会、第73回日本消化器外科学会総会、第16回日本消化器外科学会大会にて発表した。現在、さらに症例数を増やし、様々なInflammation-based prognostic scoresとの関連性について追加解析や論文作成を行っている所である。消化管癌とRNAメチル基転移酵素METTL3との関連性については、まず食道癌細胞、胃癌細胞、大腸癌細胞を培養し、qRT-PCR、Western blotにてMETTL3の発現レベルを確認したところ、細胞種によって差がみられ、非癌細胞と比較して高発現しているものと、あまり差がないものが認められた。現時点ではMETTL3の消化管癌に対する機能解析までは至っていないが、今後、特にMETTL3を高発現している細胞種に焦点をあて、METTL3のノックダウン実験などにより癌の増殖に影響を与えるか、また臨床データとの照合により、消化管癌の予後とMETTL3発現との相関などについても検証出来ればと計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が2019年4月より勤務先を異動となり、新たな勤務先では臨床業務の占める割合が増加したため、研究に従事できる時間が減少し、研究計画に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
特にMETTL3を高発現している細胞種に焦点をあて、METTL3のノックダウン実験などにより癌の増殖に影響を与えるか、また臨床データとの照合により、消化管癌の予後とMETTL3発現との相関などについても検証出来ればと計画している。また、Inflammation-based prognostic scoresと消化管癌の予後、治療成績との関連性についての研究を引き続き進め、論文作成、学会発表を積極的に行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が2019年4月より勤務先を異動となり、新たな勤務先では臨床業務の占める割合が増加したため、研究に従事できる時間が減少し、研究計画に遅れが生じた。次年度は更なる研究推進、論文作成、学会出張などのために使用を計画している。
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