研究課題/領域番号 |
18K15245
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
工藤 健介 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 消化管外科医師 (90801663)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 胃癌 / 食道癌 / 大腸癌 / バイオマーカー / METTL3 |
研究実績の概要 |
本研究では、複数の食道癌、胃癌、大腸癌細胞株を用いて、METTL3の発現レベルの定量を行った。結果、平均発現レベルは、1を基準とした場合のRelative expression levelとして、大腸癌細胞が1.385、胃癌細胞は0.730と、非癌細胞やその他の癌細胞の発現と比較して有意差は認められなかった。一方、食道癌細胞株は平均2.043と、食道癌細胞においてMETTL3 mRNAの発現が高かった。以上より、今回検証した結果、消化管癌の細胞株においては、胃癌、大腸癌、或いはその他の癌細胞株と比較し、食道癌細胞株においてMETTL3が高発現している傾向を認めた。過去の報告、また当研究室での先行研究においても、METTL3自体が癌の増殖、進行を促進する因子というよりは、m6A修飾を介して、増殖に関与する遺伝子の発現を制御する事により、各種の癌細胞の増殖に関与しているというメカニズムが複数報告されており、食道癌においても、METTL3、あるいはm6Aが何らかの因子の発現制御を介している可能性も考えられる。更なる研究により、食道癌とMETTL3の関連性、制御メカニズムの解明が期待される。 本研究成果をまとめ、第31回日本消化器癌発生学会にて学会発表を行った (2020年11月27日)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で、研究の推進や学会参加等への支障をきたしているため
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究において、消化管癌の中でも、特に食道癌細胞株において、非癌細胞と比較しMETTL3が高発現している傾向を認めたため、食道癌に焦点を当て、METTL3の関連性、制御メカニズムの解明w追究していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、研究の遅延、ならびに、学会参加等に支障をきたしたため
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