肺における発がん制御に炎症性サイトカインなどが及ぼす影響を検討するため、Sftpc-CreERT2ノックイン;LoxP-STOP-LoxP(LSL)-KrasG12Dノックイン;Trp53コンディショナルKOマウスの作製を開始した。Sftpc-CreERT2ノックインについては新規リソースとして収集し、B6背景への戻し交配を行った。新規Trp53コンディショナルKOマウスに関して、まずは全身性KOマウスの作製を行い発がんの頻度や発生時期を検討したところ、生後1年以内に発がんが確認された。コンディショナルKrasG12Dノックインマウスはキメラマウスならびにゲノム編集でのファウンダーマウスを作出したが、生殖細胞系列への寄与を確認できなかった。対象となるがんを肺がん以外に広げる可能性を検討するため、膵臓特異的なCreERT2マウスを作製して発現解析を行った結果、目的の細胞に限局したCre発現を確認することができた。 ゲノム編集を用いた発がん関連因子の網羅的探索を行うために、コンディショナルdCas9ノックインならびにCas9ノックインマウスの作製を開始した。DNA切断活性を持たないdCas9に転写を促進もしくは抑制する因子を接続したコンストラクトをROSA領域にノックインしたES細胞を作製してファウンダーマウスを作出したが、いずれの系統についても生殖細胞系列への寄与を確認することはできなかった。
|