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2018 年度 実施状況報告書

新規Galectin-3阻害剤による肝線維化制御の革新的治療開発に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K15264
研究機関群馬大学

研究代表者

石井 範洋  群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (00711508)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード肝線維化 / Galectin-3 / 肝星細胞 / Kupffer細胞
研究実績の概要

肝の線維化には様々なシグナル経路の関与が報告されているが、なかでもGalectin-3は肝臓ではマクロファージであるKupffer細胞に発現しており、コラーゲン産生細胞である肝星細胞を活性化させ肝の線維化を促進することが報告されている。我々は肝硬変におけるM2BPGiの研究から肝の星細胞がM2BPGiを産生し、M2BPGiをメディエーターとして肝星細胞とKupffer細胞がGalectin-3を介して相互に活性化しあっていることを明らかにした。星細胞とKupffer細胞がGalectin-3を介して相互に活性化しあうことで肝の線維化が進行するという仮説を元に、細胞内Galectin-3とも高い親和性を持つ新規Galectin-3阻害剤の星細胞に対する直接効果を検証した。肝星細胞株Lx-2に新規Galectin-3阻害剤を投与し増殖能試験を行うと、濃度依存性にLx-2の増殖が抑制された。また、Galectin-3阻害剤投与後にLx-2の蛋白を抽出し、Western blotting法で活性化マーカーであるα-SMAの発現を検証すると、Galectin-3阻害剤投与によりα-SMAの発現の低下を認め、Lx-2の活性化が抑制されていた。
以上より新規Galectin-3阻害剤は、In vitroにおいて肝星細胞の増殖、αSMAの発現を抑制し、肝星細胞の活性化を抑制することが明らかとなり、肝線維化の制御に有用である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験に用いるKupffer細胞は自施設で樹立困難であり、Commercial baseで購入できるKupffer細胞に頼らざるを得ず、安定した細胞の確保が難しいため。
また、新規Galectin-3阻害剤も、新規に合成された阻害剤で共同研究者から提供していただいているが、合成に時間を要するため。

今後の研究の推進方策

Lx-2とKupffer細胞の共培養系において、肝星細胞の上清に含まれるM2BPGiがKupffer細胞のGalectin-3の誘導を介して、Galectin-3依存性に星細胞の活性化を促進していることは明らかとなっているため、Kupffer細胞が確保でき次第、Galectin-3阻害剤を用いて同条件で星細胞の活性化(α-SMA発現)が抑制されるかを検証する。また、サイトカインアレイ、質量分析計、RNA-sequenceを用いてGalectin-3阻害剤投与の有無により、培養上清内・細胞内蛋白、RNA発現の変化を検証し分子機序の解明を目指す。
In vitroでGalectin-3阻害剤の効果を検証した後に、動物肝硬変モデルにおける検証を行う。Thioacetamide (TAA)を用いてマウスまたはラット肝硬変モデルを作成し、Galectin-3阻害剤の投与で肝臓の線維化が抑制されるかを検証する。線維化の評価にはα-SMA免疫染色、Sirius red染色、Masson’s trichrome染色等で多面的に評価を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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