研究課題/領域番号 |
18K15265
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 真樹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70805788)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 血管新生 |
研究実績の概要 |
1.マウス腎がんモデル/肺転移モデルの作成および、腫瘍の免疫染色 予備実験としてマウスの皮下にマウス腎がん細胞株Rencaを移植して腫瘍を作成し、Tyrosine Kinase Inhibitor4剤を連日投与して治療した。マウスはそれぞれ3匹とし、腫瘍の免疫染色を行う目的とした。各薬剤を調整しマウスに経口投与を1週間行ったが、副作用は見られなかった。腫瘍は非常に柔らかく、大半の腫瘍がマウスの共食いにより消失しまった。治療開始1週間後に残存した腫瘍を摘出してホルマリン固定し、一部はパラフィンブロックを作成、一部はWhole mount staining用とした。抗CD31抗体による免疫染色は問題なく行えたが、抗NG2抗体によるペリサイトの染色ではペリサイトの染色ができなかったため、現在原因追及を行っている。 2.血管内皮細胞/ペリサイト/マクロファージの単離、RNA抽出と遺伝子発現の比較 上記で作成した腫瘍を染色したところ、当初の予定に反してペリサイトの染色がうまくいかなかったため、条件検討を行っていくよていである。その後各種細胞の単一化を行い、RNA抽出を予定する。 3.ニコン共焦点顕微鏡(A1R)システムを利用したin-vivo イメージング 同所性に作成した腎癌モデルを用いてニコン共焦点顕微鏡でライブイメージを撮影することを予定している。医学部臨床研究センターのマウス搬入の制限により、現時点では生きたマウスを共同研究者である耳鼻科の研究室に持ち込むことができないため、今後制度の変更を待って実験を行いたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス腫瘍の免疫染色が当初の予定通りの結果を得られなかったため、今後抗体の選別などの条件検討が必要である。また、Renca細胞株がマウスによる破壊を受けやすく、マウス同士の共食いにより腫瘍が消失してしまうことが分かった。腫瘍の種類を変更するなどの工夫が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
マウス腫瘍の変更ならびに染色に用いる抗体の選別、希釈倍率の工夫を行う。安定した段階で再度腫瘍実験を行い、各種細胞のソーティングからRNA分析を予定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進行状況を鑑み、使用する実験動物の数が予定数に満たなかったこと、また使用する抗体が予定数に満たなかったことが主な原因である。次年度に引き続き実験動物の購入、抗体の購入を予定し、その先の実験に繰越金を使用する予定である。
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