本研究では制御性B細胞が増加しているマウス(B細胞特異的PTEN欠損マウス)を用いて、制御性B細胞の悪性黒色腫に対する役割を解析した。B細胞特異的PTEN欠損マウスではコントロールマウスに比べて悪性黒色腫が増大し、腫瘍に浸潤する制御性B細胞も増加していた。腫瘍に浸潤する制御性B細胞の大部分はB1a B細胞であった。野生型マウスまたはIL-10欠損マウス由来のB1a B細胞を野生型マウスに移入したところ、野生型マウス由来のB1a B細胞を移入した群では腫瘍増生が増大した。以上より、腫瘍に浸潤したB1a B細胞はIL-10を産生することで悪性黒色腫に対する腫瘍免疫反応を抑制していると考えられた。
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