過去の診療記録等から、2007年から2020年に信州大学医学部附属病院外来を受診し、爪甲色素線条病変部位のダーモスコピー写真を撮影保存している研究対象症例をスクリーニング抽出した。症例ごとの年齢、臨床経過、確定診断(病理診断)の有無などの臨床情報を調査し、本研究における組み入れ基準、除外基準に基づいて、データのクリーニングを行った。各症例画像ごとに、疾患名や良悪性判断などの、作成しようとする分類機の目的に応じた正解ラベル付けまたはアノテーションを行った。目的に応じた各ラベル付け済みの画像データセットを、交差検証を前提として学習用、バリデーション用、検証用の各画像データセットに分割した。学習用画像データセットにおいては、基画像に対する画像加工等によるデータ拡張を行った画像も作成した。学習用画像データセットを用いて汎用ディープラーニング・ツールを用いて初期分類機を作成し、学習の条件を変更しつつパラメータの調整を進めた。検証用データに対する分類性能を評価した。今後、非人工知能による診断補助プログラムとの分類性能比較、医師との分類性能比較についての探査的試験の実施も検討している。
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