我々はヒト活性化T細胞エクソソームに含まれるmiRNAsの網羅的解析を行い、間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell:MSC)を抑制するmiR-6089および6090を同定し、両miRNAsがMSCの複数のInterferon stimulated genes(ISGs)を上昇させることを見出した。本研究では、miR-6089および6090発現ウイルスベクターを用いて、両miRNAsを過剰発現させたMSC細胞株やHEK293腫瘍細胞株を構築し、本モデルにおける両miRNAsのISGsやType-I IFN(IFN-α/ IFN-β)への影響について検討を行った。また、両miRNAsがMSCやHEK293の増殖や形態に及ぼす影響について検討した。その結果、miR-6090、miR-6089およびmiR-6090の両者を導入したMSCやHEK293において、ISGs(Mx1/ISG15/IFI6/IFITM等)やその下流の転写因子(IRF3/IRF7)の遺伝子発現の上昇が認められた。特に、両miRNAsを同時に発現させたベクターを導入した場合において、その上昇が顕著に認められた。また、両miRNAsは細胞の増殖や形態変化にも影響を及ぼすことが明らかとなった。
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