研究課題/領域番号 |
18K15276
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
沖中 勇輝 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (90780718)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 癌関連疲労 / メタボローム / サイトカイン / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
癌関連疲労(cancer-related fatigue)は癌薬物治療中に多くの患者が経験し、治療決定・継続の意思に関わるものではあるが、そのバイオマーカーは明らかになっておらず、十分な研究が行われてきていない。本研究では、担癌動物治療モデルおよび泌尿器癌抗がん治療中の患者での試料(血漿)を用いて血中メタボローム解析および患者血漿においては、サイトカイン測定を行うことで抗がん薬物治療におけるバイオマーカーを確立することを目的としている。現在までに動物実験においては担癌治療動物モデルマウスの確立およびマウスにおける治療前後での疲労評価、血漿採取に至る実験系の確立を行なっている。引き続き本年度においては十分評価可能な実験系の確立および、治療モデルマウスにおける疲労評価、血漿採取およびそのメタボローム解析を行なっていく予定である。動物実験での結果、患者試料での結果を統合的に評価、検討を行うことで抗がん剤治療における癌関連疲労における新規バイオマーカーの確立を進めていく予定である。抗がん薬物治療中の患者においては、治療前後での血漿の採取およびその治療経過中の疲労質問表(FACIT-F、疲労感VAS)の採取を行なっている。次年度においては、これら血漿を用いての血中メタボローム解析、サイトカイン測定を行い、それらの治療前後での変化に合わせて疲労質問票での変化と組み合わせることでの検討・解析を進めていく予定である。更に引き続き患者試料の採取を継続し解析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験において、担癌治療モデル(マウス)での十分な疲労評価および安定した血漿採取を行なっていくにあたっての実験系の確立において十分に安定して行えていない。動物モデルにおいて癌自体の影響も考慮する必要があり、現在担癌マウスにおける癌の進行による体重の変動などを含めた疲労評価を並行し行なっている段階である。それらを統合的に鑑みた実験系の確立を進めその上で引き続き疲労評価・血漿を用いたメタボローム解析を進めていく予定である。患者試料に関しては予定通り採取も進んでおり、本年度においては患者試料を用いた測定を行い、検討を進めていく予定である
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今後の研究の推進方策 |
担癌マウスにおける癌そのものによる疲労度(体重の変動等を含む)を評価を並行し行い、担癌治療モデルマウスにおいて引き続き現在の実験系を安定し確立したものとする。その上で本年度においては、血漿メタボローム解析を行い疲労評価の結果と統合的に解析することで、バイオマーカーの候補分子のスクリーニングを行う予定である。 患者試料も同様に本年度に血漿メタボローム解析、サイトカイン測定により、疲労質問票の結果を合わせ検討解析を進める。 動物実験と患者試料との結果を統合的に解析することでバイオマーカーの確立を予定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度において、動物および患者試料ともに検体のメタボローム解析およびサイトカイン測定には着手ができていない。また治療動物モデルにおいて、薬剤投与における評価も十分にはできていない。次年度は上記実験および検体の測定の際に助成金を使用する予定である。またその解析も行う予定である。
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