研究課題
空間的分割グリッド法を用いた放射線治療(Spatially fractionated GRID radiation therapy[以下,SFGRT])は、難治性癌腫に対して従来では、到底処方できなかった超大線量を処方できる可能性が示された手法の一つである。当研究では、悪性脳神経膠腫を発癌させたマウスに照射実験を行うことで、臨床応用に向けた基礎的検討を行う。本研究で対象とした悪性脳神経膠腫は、完全切除困難かつ解剖学的に高線量の放射線照射が困難であり、血液脳関門の存在により薬剤の到達も困難な極めて難治の癌腫であり、本研究により、SFGRTが脳腫瘍においても低侵襲かつ有効な治療であることが証明されれば、悪性脳神経膠腫の画期的な治療となりうる。昨年度は、S-pring8での照射研究に関てはmachine timeが獲得できず、照射実験は行えなかった。また、ヌードマウスに人の腫瘍を埋め込んだ状態では、外に持ち出すことはできず、今年度脳外科よりマウスの腫瘍を移植した実験マウスを手に入れる予定である。そのため、昨年どはマウスに適切なgridの作成に関して、サイズ、厚さ、穴の個数、素材の検討を行い、設計図を作成した。今年度は実際にgridを作成し、マウスに照射を行う予定である。
3: やや遅れている
昨年度の研究の実施状況は正直遅れていると言わざるを得ない。理由としては1)人間サイズのグリッドをマウスに変換する際、思いのほかholeが極端に小さくなり、安定した照射が難しい。またbeamが安定に通過可能なholeとグリッドの厚さのバランスを決定するのも難しい課題である。2)昨年度はS-pring8での照射研究に関てはmachine timeが獲得できず、照射実験は行えなかった。そのため昨年度は適切な設計と情報を仕入れるための研鑽に時間を費やした。そのため少し計画との時間的相違を生じたため、次年度使用額が生じた。
今年度の修正計画はまずは実際に試作のグリッドを実際に作成する予定である。それを使いまずこのグリッドを通して安定なbeamがターゲットに照射されているかを確認する予定である。次に安定したbeamが確認できればそのグリッドを用いてマウスに対する照射実験を行う。Spring-8で行えない場合には、大学の研究室にある、研究用の装置を用いて、照射を行う予定である。また、ヌードマウスに人の腫瘍を埋め込んだ状態では、外に持ち出すことはできず、今年度脳外科よりマウスの腫瘍を移植した実験マウスを手に入れる予定である。
Spring-8の使用権利が得られず使用料を使用しなかったこと、グリッドの検討に時間がかかり作成までにいたっていないこと、マウス株の腫瘍を移植したマウスが手に入らなかった、以上により計画との時間的相違を生じたため、次年度使用額が生じた。今年度の修正計画はまずは実際に試作のグリッドを実際に作成する予定である。それを使い、まずこのグリッドを通して安定なbeamがターゲットに照射されているかを確認する予定である。次に安定したbeamが確認できればそのグリッドを用いてマウスに対する照射実験を行う。Spring-8で行えない場合には、大学の研究室にある研究用の装置を用いて、照射を行う予定である。また、ヌードマウスに人の腫瘍を埋め込んだ状態では、外に持ち出すことはできず、今年度脳外科よりマウスの腫瘍を移植した実験マウスを手に入れる予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件)
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