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2020 年度 実施状況報告書

難治性造血器腫瘍におけるPVT1-MYC融合遺伝子の解析および臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K15281
研究機関広島大学

研究代表者

名越 久朗  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 専門研究員 (80713924)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードPVT1 / ノンコーディングRNA / MYC / 難治性造血器腫瘍 / キメラ遺伝子
研究実績の概要

研究期間中、①PVT1-MYC融合遺伝子の機能的意義を解明するために、PVT1-MYC融合遺伝子が発現していないリンパ系造血器腫瘍の細胞株に同融合遺伝子を強制発
現させ、その表現型の変化について解析することを前年度に引き続き継続した。悪性リンパ腫(ML)や多発性骨髄腫(MM)の細胞株を複数用いて、PVT1のexon 1とMYCのexon 2にそれぞれ設定したプライマーによるreverse-transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)法でスクリーニングをすると、いくつかの細胞株で転写産物が得られた。その転写産物については、ダイレクトシークエンスによりPVT1のexon 1とMYCのexon 2が融合した塩基配列であることが確認でき、MLやMMではPVT1とMYCが融合した異常な遺伝子が発現していると考えられる。患者検体で解析できるよう再現性の確認をするが、RT-PCRの結果が一定せず、RT-PCRの条件設定の調整をした。また、用いるプライマーを変更したり、融合遺伝子の発現が微量であることも推測し、得られたPCR産物でもう一度遺伝子を増幅されるnested PCR法を用いて検出方法の確立を試みた。
また、②PVT1-MYC融合遺伝子の臨床的意義を検討するために、患者検体および臨床情報を用いた解析ができるよう、倫理委員会承認の手続きを進め、当科で加療中の悪性リンパ腫、多発性骨髄腫患者の臨床情報を収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

PVT1とMYCの融合遺伝子の検出方法が確立しないことが最大の問題点である。費用と簡便さからRT-PCR法による検出を試みているが、融合遺伝子が検出されていた検体から検出されなくなったり、結果が一定しない。様々な方法を試みているが、原因が不明である。

今後の研究の推進方策

RT-PCR法以外での検出方法、例えば、次世代シークエンス技術を用いた検出などを検討する。しかし、自施設で行うことが困難であり、費用の問題があるため、検討を要する。
融合遺伝子の検出方法が確立すれば、患者検体を用いて、融合遺伝子の発現頻度と、臨床像との比較、解析が可能となり、臨床的意義の検証ができる。
次世代シークエンス技術で融合遺伝子の全長がクローニングできれば、レンチウイルスを用いて細胞株へ融合遺伝子を強制発現させ、機能的意義の解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

融合遺伝子の検出方法が確立せず、研究進捗状況に多大な遅れが生じているため研究費を使用しなかった。融合遺伝子の検出のため次世代シークエンシングを行うことや、クローニングした遺伝子をベクターに組み込む実験など、次年度にずれこんだ研究計画に次年度使用額を使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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