研究課題/領域番号 |
18K15285
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
眞鍋 良彦 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00769838)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 放射線増感効果 |
研究実績の概要 |
AAT-008のもつ放射線増感効果の作用機序をみるための実験として、大阪大学放射線治療学講座と連携し昨年度に引き続きフローサイトメトリーを施行した。平成31年度の実験にて、AAT008(10mg/kg/day)と放射線9Gy照射を組み合わせた群では、放射線照射のみ群と比較して腫瘍中における細胞障害性T細胞の増加の傾向がみられた。一昨年度はこれの再現性をみるためにnを増加させて同様の実験を行うも、残念ながら有意な結果は得られなかった。昨年度はAAT-008のもつ免疫賦活化効果を高めるために、投与量を30mg/kg/dayにするとともに、薬剤投与終了後からフローサイトメトリーまでの期間を短く設定した。薬剤投与終了後に時間がたちすぎると、放射線治療のみ群でも腫瘍が小さくなりすぎてしまい免疫細胞の正確な判定が難しくなると考えたからである。まずは傾向をつかむためnを少なめに設定(1群あたり5匹)し、実施したところ照射のみ群に比してAAT-008+照射群では制御性T細胞の有意な低下をみとめた。また細胞障害性T細胞/制御性T細胞の比をとると、やはりAAT-008+照射群では高値を示しており、AAT-008が抗腫瘍免疫を賦活化していることが示唆された。本年度はこれらの成果の再現性を確かめるため、nを増やして実施した。しかし有意な結果は得られず、提供されたAAT-008を使いきったため実験としては終了となった。これらの成果を2021年米国放射線腫瘍学会でポスター発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により実験計画見直しが必要になったことと、当該薬剤を使い切ったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果を学会発表や論文にまとめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大にて実験日程がおくれたため。次年度は目的をより精緻に達成するため学会参加や論文投稿などを予定している。
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