研究課題
若手研究
AAT-008という薬剤は痛み止めとして使用できる薬物であるが、がん細胞に対する免疫効果を活性化させることがわかっていた。放射線治療にも免疫を活性化させることが知られていることから、このAAT-008と放射線治療と共に使用することで腫瘍(マウス大腸がん細胞)に対する免疫効果を高め、放射線治療効果を増強するという仮説を立て実験したところ実際に放射線増感作用があった。その作用機序として、腫瘍を攻撃する細胞の活性化や免疫を抑制する細胞を抑制することが示唆された。
放射線治療
放射線治療には放射線そのものによる腫瘍へのダメージと、抗腫瘍免疫活性化による効果が期待される。AAT-008は放射線治療と併用することで抗腫瘍免疫をさらに活性化させることが示唆された。この薬剤は人体への投与を前提に作成されているため実臨床応用しやすい利点がある。現在臨床で使用されている化学療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬に加えて、新たな選択肢となる可能性がある。