研究課題
TSCは、胎生期から症状が出現するが、不全型の場合は臨床症状が乏しく臨床診断されることなく小児期を過ぎてしまうことがある。mTOR阻害剤の有用性が確立し、早期発見・介入が重要となったため、特に不全型患者において遺伝学的検査は早期治療へ の近道である。また、藤田保健衛生大学病院に「FUJITA TSC TEAM」が設置され全国からTSC患者が集まる環境にある。そこで、本研究では、高感度で迅速・安価なTSC特異的遺伝子変異解析法の確立を目的とする。2018年度は、既知のTSC1/2遺伝子変異が検出可能な解析手法として、Target Capture法とlong PCR法による比較解析を行った。結果を集積する過程で、TSC1遺伝子とTSC2遺伝子で同定される遺伝子変異において、TSC2の方がInDelが多いという特徴的な違いがわかった。引き続き変異情報の集積を図るとともに、なぜTSC2にInDelが多いのか、について究明していく。
2: おおむね順調に進展している
2018年度は、TSC変異解析を数多く行い、その中でlong PCR法による変異解析手法の確立を行っただけでなく、TSC1とTSC2に見られる変異分布の違いを明らかにした。TSC1遺伝子に比べTSC2遺伝子の方がInDelが多いという特徴的な違いを明らかにした。
2019年度は、昨年度に引き続き、TSC遺伝子変異の集積を行うとともに、TSC2遺伝子変異に見られる特徴的な変異分布(InDelが多い)について分子遺伝学的手法を用いた原因探索を行う。学会発表だけでなく論文投稿も視野にデータまとめを行う。
2018年度は産休・育休があったため次年度使用額が生じた。差引額については、主に試薬消耗品として使用する。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)
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