研究課題/領域番号 |
18K15294
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
毛利 浩太 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (30723697)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 核酸ナノ構造体 / DNAアッセンブリ / 抗体 / がん診断 / がん免疫療法 |
研究実績の概要 |
本研究では、細胞指向性を有する核酸ナノ構造体の創出を目指す。本年度は、昨年度に開発したボンベシンアナログ(gastrinreleasing peptide receptor(GRPR)親和性ペプチド;BBN)を結合させたBBN修飾tripodna(tripod-like structured nucleic acids)に64Cu標識を施した64Cu-BBN-tripodnaとGRPRを過剰に発現するヒト前立腺がん細胞株PC-3との相互作用を評価した。その結果、64Cu-BBN-tripodnaはBBN非修飾tripodnaに比べて効率的にPC-3細胞と相互作用した。さらに、この相互作用がBBNの修飾数に依存して効率的になることも見出した。今後は、作製したモルフォリノtripodnaを基盤としたプローブを用いて生体イメージングを試みる予定である。上記に加えて、DNAアプタマーのひとつであるguanine-rich ODN(GRO)を末端に修飾したDNAナノ構造体と細胞との相互作用についても評価した。昨年度に開発した3個のGROを修飾したhexapodna(hexapod-like structured nucleic acids)とGROの標的分子であるヌクレオリンを高発現しているヒト乳腺癌由来細胞株MCF-7との相互作用を評価した。その結果、GROを修飾したhexapodnaはMCF-7細胞と効率的に相互作用した。ヌクレオリンを低発現するチャイニーズハムスター卵巣由来細胞株CHOとの相互作用はほとんど認められなかったことから、GROを修飾したhexapodnaはヌクレオリン選択的に細胞と相互作用したことが示唆された。今後は、作製したGRO修飾核酸ナノ構造体の制がん作用を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍に影響され、3年目に計画していた検討の一部が未達成のため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、当初2020年度に予定していたDNA構造体を基盤とした抗体アナログのがん診断やがん免疫療法への応用性について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗の都合により、核酸構造体を基盤とした抗体アナログの疾患診断・治療への応用について、次年度も引き続き遂行することとしたため。
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