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2018 年度 実施状況報告書

遺伝子変異を有する非小細胞肺がんのPDXモデル樹立と新薬開発の基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K15296
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

柳下 薫寛  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (80781674)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードPDX / 非小細胞肺がん / 遺伝子変異 / EGFR / ALK
研究実績の概要

遺伝子変異を有する非小細胞肺がんのPDXモデル樹立と新薬開発の基盤研究として、平成30年度より国立がん研究センターおよび順天堂大学浦安病院の協力のもと、肺がんPDXの樹立方法の決定とPDXモデル樹立推進を図った。検体種別としては気管支鏡検体(TBTB, EBUS-TBNA)、針生検検体、胸水、手術検体からの樹立を図り、組織検体に関しては採取後すぐに保存液で冷蔵保存、胸水は移植直前に腫瘍細胞分離を行う事とした。移植はNOGマウスの肩を原則とし、組織検体は1-2mm角を皮下切開し移植、液性検体はマトリゲルと混和し皮下注射とした。また、一部の液性検体では肺内投与も行なっている。
平成30年度中に120検体を受領し、移植を行っている。120検体のうち遺伝子変異を有する患者検体は42検体であり、内訳はEGFR遺伝子変異 23例、ALK融合遺伝子 15例、RET融合遺伝子 2例、ROS1融合遺伝子 1例、Met skiping 1例、ErbB2 amplification 1例であった。また、本研究の対象となる遺伝子変異を有する非小細胞肺がん以外にも、遺伝子変異陰性の非小細胞肺がん、扁平上皮癌、小細胞肺がんなどの多くの肺がん検体が集積されている。
現在までに全体では30株余りのPDXが生着、樹立され、そのうちEGFR株 7株、ALK株 4株、ROS1株 1株、ErbB2 amplification株 1株が樹立されている。今後さらに生着例が増えることが期待される。これらの樹立されたPDXを用い、2019年度には薬効試験の遂行などを進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

想定以上の検体集積が進み、順調に進捗している。しかし生着までの期間が早いもので1ヶ月以内、遅いものでは1年近くとばらつきがあるため想定通りの生着が難しいと考える。引き続き検体の集積と移植を進める。

今後の研究の推進方策

2019年度には樹立されたPDXを用いた臨床的妥当性と臨床予測性の証明および新規薬剤のスクリーニングを進めることで、他の遺伝子異常を有する肺腺がんや、有効な分子標的治療薬のない肺腺がん、扁平上皮がん、小細胞肺がんにおいてもPDXモデルの樹立、新規薬剤のスクリーニングを行う基盤整備を目指す。

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公開日: 2019-12-27  

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