がん細胞はその発生の過程で様々な遺伝子変異を獲得する。これらの変異の有無が抗がん剤の奏効率に大きく影響することから、次世代シーケンサーを用いた遺伝子パネル検査が推奨されている。しかし解析を行う細胞の中に標的変異細胞が20%以上存在しなければ検出ができない、検査を行える施設が限られる等の問題を抱えている。本研究で開発した手法を用いることで、変異を持たない細胞の中から20%以下の遺伝子変異がん細胞を定量検出することが可能となる。さらに細胞チップ技術との融合による血中循環がん細胞の変異遺伝子解析や、血中循環がん細胞由来DNAの検出による低侵襲な超早期がん診断法への応用展開が期待できる。
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