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2021 年度 研究成果報告書

蛋白多量体化阻害ペプチドによる新規抗癌機序の解明と細胞内デリバリーシステムの探索

研究課題

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研究課題/領域番号 18K15300
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関旭川医科大学

研究代表者

平井 理子  旭川医科大学, 大学病院, 客員助教 (90596272)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードがん / 肺がん / 遺伝子 / タンパク質 / 治療
研究成果の概要

肺癌の重要な標的であるEML4-ALK融合は、ccドメインを介した二量体化により恒常的に活性化している。では、本蛋白質の二量体化阻害は抗癌効果をもたらすだろうか。本研究では、ALK陽性肺癌細胞に対するcc模倣分子と合成ペプチドの生物学的効果を検証した。FKBPによる量体調節モデルでは、ALKの単量体化により腫瘍増殖が抑制された。蛍光モデルにおいては、ccの過剰発現により二量体融合蛋白の減少と腫瘍増殖速度の低下がみられた。合成ccペプチドの投与により、ALKリン酸化の減少と細胞増殖の抑制がみられた。以上より、本研究は癌異常タンパクの多量体化阻害が今後の癌治療の一戦略となる可能性を示した。

自由記述の分野

がん分子生物学、がん治療学

研究成果の学術的意義や社会的意義

肺癌は国内罹患率・死亡率ともに高く、治療開発と予後改善は重要な課題である。非小細胞癌の5%にみられるEML4-ALK融合の発見後、ALKキナーゼ阻害を機序とした治療薬の開発が進んできた。それらは従来の殺細胞性抗癌剤と比較して劇的な生存期間の延長や毒性軽減によるQOLの改善をもたらしたが、長期投与により耐性化することが知られており、その克服が重要な課題である。本研究はその課題に対し「蛋白の多量体化に依存したがん」という全く新しい切り口からアプローチしたことに意義がある。また、多量体化による恒常的活性化は、臓器横断的に様々な腫瘍でみられ、将来重要な治療標的となる可能性を示したことに意義がある。

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公開日: 2023-01-30  

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