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2018 年度 実施状況報告書

腫瘍幹細胞治療に対する免疫共刺激因子CD40刺激;機序解明とPD-1阻害剤の併用

研究課題

研究課題/領域番号 18K15301
研究機関東北大学

研究代表者

長南 雅志  東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (90813676)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードCD40 / 腫瘍幹細胞 / PD-1 / 悪性神経膠腫
研究実績の概要

研究計画に基づき、(研究1)CD40刺激抗体と抗PD-1抗体との併用療法のNSCL61腫瘍幹細胞モデルマウスに対する有効性を検討する、(研究2)CD40刺激による腫瘍幹細胞の分化誘導を検討する、(研究3)CD40刺激により腫瘍幹細胞から産生されるIL-10とTGF-βの分泌の変化に関して解析することを目的として、(研究1)-(研究3)に関して今年度は条件検討、確認実験を実施した。

(研究1)CD40皮下ワクチンを基礎とした免疫治療法に関する研究:NSCL61の脳腫瘍マウスモデルを作成し、抗CD40抗体ワクチン療法の治療効果を確認するために、予備実験を行い最適な抗体の選定をした。また、NSCL61の培養と細胞の維持を行い脳腫瘍モデルマウス作製の条件検討を実施した。
(研究2)CD40刺激によるNSCL61細胞の免疫染色:治療後の評価として、組織切片を作製し免疫染色で浸潤免疫細胞の変化を確認する。標的としてリンパ球系の表面マーカーのCD4、CD8および骨髄単球系の表面マーカーのCD11bの染色を予定しており、今年度は免疫染色の条件検討を実施した。今後、得られた免疫染色条件にて組織切片の染色、評価を行う事としている。
(研究3)CD40刺激による通常神経膠腫モデルGL261細胞、NSCL61細胞からのIL-10とTGF-β産生量変化の解析:腫瘍浸潤免疫細胞の解析として、フローサイトメトリーを用いた解析を行う。脳腫瘍マウスモデルの脳組織を取り出し、免疫細胞を単離させて解析を行う。リンパ球の評価および骨髄骨髄系のコンポーネントの変化を解析する。NSCL61細胞については培養、維持をしておりIL-10とTGF-β産生量変化の確認を行うための条件検討を実施する予定としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

NSCL61腫瘍幹細胞モデルマウスに対する併用療法の有効性を検討する(研究1)事を計画しており、NSCL61腫瘍幹細胞モデルマウスに対する有効性を検討するために最適抗体の探索、モデルマウス作製手技の確立が完了している。
また、NSCL細胞の免疫染色条件の検討を行い最適条件がほぼ確立している状況となっている。

今後の研究の推進方策

CD40刺激抗体と抗PD-1抗体との併用療法の有効性とCD40刺激の抗腫瘍効果機序を明らかにする。NSCL61腫瘍幹細胞モデルマウスに対する併用療法の有効性を検討する(研究1)。続いてCD40刺激による腫瘍幹細胞の分化誘導を免疫染色で解析する(研究2)。更にCD40刺激により腫瘍幹細胞から産生されるIL-10とTGF-βの分泌の変化に関して解析する(研究3)。
(研究1)CD40皮下ワクチンを基礎とした免疫治療法に関する研究。抗腫瘍免疫の刺激として機能するCD40刺激と、免疫抑制を解除する抗PD-1抗体を併用することで抗腫瘍効果の増強を図る。NSCL61腫瘍幹細胞モデルマウスに対する有効性を検討する。
(研究2)CD40刺激によるNSCL61細胞の免疫染色。すでに腫瘍幹細胞マーカーであるMELKの発現は低下し、sox2、nestinの発現に変化がないことを確認した。ここではCD40刺激で腫瘍幹細胞に分化が見られるかを検討する。具体的には分化した神経細胞に発現するGlial fibrillary acidic protein (GFAP)の発現、Oligodendrocyte transcription factor 2 (Olig2)の発現の変化を解析する。
(研究3)CD40刺激による通常神経膠腫モデルGL261細胞、NSCL61細胞からのIL-10とTGF-β産生量変化の解析。In vitroでGL261細胞、NSCL61細胞にCD40刺激抗体を24時間、48時間反応させ、Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay (ELISA)を用いて腫瘍細胞からのIL-10とTGF-βの産生量を解析する。この際、コントロール群としてIgGを反応させたものと比較する。

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公開日: 2019-12-27  

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