研究実績の概要 |
内視鏡的胆管造影施行時に採取可能な胆汁を用いて、胆汁中の細胞外小胞(Extracellural vesicles;EVs)の①効率的抽出方法の確立、②疾患特異的胆汁中EVsにおけるmiRNAの検出, ③疾患特異的タンパク発現について研究を進めている。 ①胆汁は感染併存状態や閉塞性黄疸の状況によって粘稠度に差があり、適切な希釈やフィルタリングを行い、超遠心法によるEVs抽出前処理が必要である事が分かった。前処理法の比較検証により適切な前処理を確立したのち、超遠心により得られたEVsサンプルは電子顕微鏡での形態確認、western blottingによるEV特異的な膜表面タンパクの発現と体液内粒子計測器(Nanosight)による粒子数・サイズ測定を行い、検体の妥当性について確認した。 ②EVsに内包されたtotal RNAおよびmiRNAを抽出キット(miRNeasy Mini Kit,Qiagen)による抽出、Qubit Fluorometor (Thermo Fisher)で定量可能な検体が得られた。disital PCRによりmiRNAの発現が確認され、胆汁中のmiRNAの定量が可能であった。③外部機関に依頼し、胆汁中EVsのproteomics解析を行った。疾患特異的なEV関連タンパクと考えられる候補蛋白が拾い上げられ、解析を進めている。
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