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2019 年度 実績報告書

データベースを活用したがん体細胞バリアントの大規模機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K15305
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

谷本 幸介  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (60611613)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードスプライシング / がん体細胞バリアント / TCGA / データベース
研究実績の概要

シークエンス技術の進展によりあらゆるがん種における体細胞バリアントが明らかになっている。しかし、検出された全てのバリアントの機能を実験的に検証することは現実的には不可能であるため、意義が明らかでないバリアントが多数残されているのが現状である。
本研究では、公共データベースThe Cancer Genome Atlas (TCGA)の32のがん種にわたる9,635症例の体細胞バリアントとRNA-seqデータを用いて、Exonic Splicing Enhancer (ESE)の機能を阻害する体細胞バリアント(ESE-disrupting variants)をバイオインフォマティクス的手法により網羅的に特定することを試みた。その結果、646のESE-disrupting variantsが特定された。Permutation testによる検定の結果、本手法の偽陽性率は1%であった。特定したESE-disrupting variantsにはアミノ酸変化を伴わない同義置換が約20%含まれていた。また、既存のバイオインフォマティクスツールでは病原性が低いと判断されるバリアントがスプライシングに影響を与えていることも明らかになった。ESE上のnonsenseバリアントの中には、エクソンスキップによりnonsense mediated mRNA decayを回避しているものが存在することを示唆する結果が得られた。
ゲノム医療においてVariants of Uncertain Significanceと呼ばれる意義不明バリアントの存在が課題の一つであるが、本研究はスプライシング制御という観点から体細胞バリアントの意義を明らかにすることができたため、ゲノム医療を推進する上で大きな意義を有すると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Massive computational identification of somatic variants in exonic splicing enhancers using The Cancer Genome Atlas2019

    • 著者名/発表者名
      Kousuke Tanimoto, Tomoki Muramatsu, Johji Inazawa
    • 雑誌名

      Cancer Medicine

      巻: 8 ページ: 7372-7384

    • DOI

      10.1002/cam4.2619

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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