肝細胞増殖因子(HGF)は、がん細胞膜上の受容体METに結合し、シグナルを活性化することで、複数の悪性形質を誘導することが知られている。本課題は、活性型HGFに選択的に結合し、活性を阻害する特殊環状ペプチド (HiP8)を用いて、HGFによって形成されるがん微小環境を描出し、腫瘍特性を反映した診断法を確立することを目的に行われた。検討の結果、ビオチンを標識することで、腫瘍組織内の活性型HGFを選択的に検出する病理診断プローブとして使用できること、また金属キレータを修飾し、放射性同位元素であるCu-64を配位することで、低侵襲な診断法であるPETの分子プローブとして利用できることを明らかにした。
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