癌化学療法を受ける患者が標準治療を受けることができるか、化学療法による影響を受け継続出来るか、を客観的に評価できる指標がないのが現状である。標準的治療の実施に影響を与える因子を分析することは、安全でより効果的な化学療法の施行を可能にすると考えられる。化学療法を受ける患者の全身状態を評価する目安としてECOG-PSなどがよく用いられるが客観的指標ではない。本研究では、標準的治療の実施に影響を与える客観的因子の一つとして、簡便な定量化デバイスであるウエアエアブル活動量計の可能性について検討を行うことを目的とした。ウエアエアブル活動量計は、加速度センサーにより装着者の24時間の活動量や睡眠状況をモニターし定量化することが可能である。化学療法中の経時変化の観察を行い、活動量の低下が捉えられるかどうか検討した。 「化学療法施行患者での活動量変化に関する研究(R2020-129)」として倫理審査室から承認を受けたが、2020年の当初は新型コロナウイルス感染の拡大により患者の臨床研究の新たな申請が停止されたために、患者の登録に遅滞が発生した。2020年度の後半より症例登録を開始することができた。まだ、症例数としては症数であるが、化学療法の開始により活動量の低下がありそうである。本研究課題としては、いったん終了になるが、本課題により準備された機材をもちいて、継続して症例を蓄積して化学療法と活動量の関係を明らかにしてする必要がある。
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