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2018 年度 実施状況報告書

通信用微弱電波を用いた非侵襲的かつ携帯型の新規乳癌検診画像システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K15321
研究機関広島大学

研究代表者

笹田 伸介  広島大学, 病院(医), 助教 (30711329)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード乳癌 / 検診 / 画像検査 / 通信用電波
研究実績の概要

標準的な乳癌検診に使用されるマンモグラフィ検査の欠点を克服すべく、通信用微弱電波を用いた非侵襲的な新規乳癌検診画像システムの開発を進めている。これまでに非臨床データを蓄積して開発した乳房検査装置の臨床データを蓄積することにより、検査装置の診断精度の評価とさらなる改良を計画している。
特定臨床研究として、計画した臨床研究を2018年11月より開始し、2019年3月31日までに70例(コホート1:64例、コホート2:6例)を登録し、63例の測定を実施した。全症例において有害事象はみられなかった。
データ解析においては、偽陽性を減少させるための工夫と、当初の想定通りの装置と乳房の間の間隙(air gap)による測定データのぶれが生じているため、これらの課題を解決するデータ解析を行い、信号処理アルゴリズムの作成を行っている。膨大な測定データから有効データの抽出を行い、最小化法を用いてアーチファクトを除去し、安定したデータを構築した。また、time of flight原理から有効データ範囲の特定を実施し、ピーク信号受信開始時点より150 picosecondの時点から乳腺内の信号となることを確認した。並行して、乳房模型を用いてair gapによる信号減衰を解消するために、coupling agentの有効性を検討したが、生体乳房の不均一な形態によるagentの凹凸が測定には不利に働くことが判明した。
予定の120例の登録、測定を実施し、データ解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

良性腫瘍であるコホート2の登録はやや遅れているが、研究全体としての進捗はおおむね順調である。

今後の研究の推進方策

引き続き、症例登録を推進し、データ解析に努める。
アーチファクトを除去する信号処理アルゴリズムの作成を進め、偽陽性所見の解消を行った後に、乳腺腫瘍検出装置の診断精度を算出する。
乳癌と良性乳腺腫瘍による診断精度の違いの有無と、マンモグラフィの課題である乳腺濃度による診断精度の違いの有無を検討する。
本研究で得られたデータを元に、さらなる診断システムとしての改良を進める。

次年度使用額が生じた理由

研究装置(特注品)備品のレンタル交渉を進めることで、設備費を節約することができた。次年度はデータ解析および乳癌検出最適アルゴリズムの作成に十分な資金をあてる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Portable impulse-radar detector for breast cancer: a pilot study2018

    • 著者名/発表者名
      Sasada S, Masumoto N, Song H, Kajitani K, Emi A, Kadoya T, Arihiro K, Kikkawa T, Okada M
    • 雑誌名

      J Med Imaging

      巻: 5 ページ: 025502

    • DOI

      10.1117/1.JMI.5.2.025502

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Detectability of Breast Tumors in Excised Breast Tissues of Total Mastectomy by IR-UWB-Radar-Based Breast Cancer Imaging2018

    • 著者名/発表者名
      Song H, Sasada S, Masumoto N, Kadoya T, Shiroma N, Orita M, Arihiro K, Okada M, Kikkawa T
    • 雑誌名

      IEEE Trans Biomed Eng

      巻: Epub ahead of print ページ: Epub ahead

    • DOI

      10.1109/TBME.2018.2887083

    • 査読あり
  • [学会発表] Hand-held impulse-radar detector for breast cancer: development and a pilot study2018

    • 著者名/発表者名
      Sasada S, Masumoto N, Song H, Goda N, Kajitani K, Emi A, Kadoya T, Arihiro K, Kikkawa T, Okada M
    • 学会等名
      San Antonio Breast Cancer Symposium 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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