本研究では経口腸管洗浄液から腫瘍特異的なDNAメチル化を検出することで大腸がんのリスク予測・超早期診断法を開発することを目的とする。洗浄液は糞便を含まないため、便中DNAよりも腫瘍細胞由来のDNAの割合がはるかに多く、がん特異的なDNA化の検出が容易となる。またCTコロノグラフィーによる大腸がんスクリーニング方法の有用性が多数報告されている。しかしながら小さな大腸がんや平坦な病変は同定困難である。CTコロノグラフィーは経口腸管洗浄を必要とすることから、腸管洗浄液メチル化解析が補完的な検査として併用することで両者の欠点を補い、高精度で非侵襲的な大腸がんスクリーニング方法となる可能性が示唆された。
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