ロドデノールを用いた本研究(免疫療法)において、腫瘍の「予防的効果」は確認しているものの、「治療効果」については複数回の実験を行っても確認する事は出来なかった。そこで腫瘍の微小環境を確認すべく組織学的に検討した結果、その主要炎症細胞は好中球であった。我々はドーパミンD1様受容体アンタゴニストならびにD2様受容体アゴニストが、Th17細胞の分化・活性化を抑制することにより好中球性炎症を抑制することを明らかにしており、この事を鑑みて今回薬剤Xを用いた実験を行ったところ動物実験において腫瘍に特徴的である血管の増殖(腫瘍血管新生)や腫瘍内および腫瘍の周囲への細胞集積を薬剤X群が抑制する事を確認した。
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