研究課題
KITやPDGFRA変異を有するGISTにおいては、チロシンキナーゼ阻害剤が有効であるが、二次性のRTK変異獲得に代表されるチロシンキナーゼ阻害剤抵抗性が大きな 問題である。グループでは、脱リン酸化酵素の1つであるPP2Aに変異があるとa)GIST患者の予後が不良となり、b)発がん因子KITの自己リン酸化亢進をさせ、更に はc)悪性化能獲得に関与することを示してきた。さらに、GISTにおいて予後良好因子であるpfetin (KCTD12)と 発がん因子であるKITの間には、遺伝子・タンパ ク質発現量に関してお互いに干渉していることを同定しており、GIST細胞が過剰な増殖サイクルに入る現象から回避している可能性を見出している。本研究では それらの先行発見に基づいて、GISTにおける1) 発がん因子であるKIT, KCTD12の発現制御機構の解析と、2) 脱リン酸化酵素賦活剤の投与による抗腫瘍効果を検討し、予後予測や薬剤奏功性のバイオマーカー・新規治療標的としての可能性を探索し、臨床応用を目指している。前年度に引き続き、GIST 臨床検体におけるKIT 発現量の予後因子としての可能性の検証として、順天堂大学医学部附属順天堂医院病理部に蓄積されているGIST 約100 例の ホルマリン固定パラフィン包埋検体(FFPE)を用いてDNA/RNAを抽出し、KIT変異を有するGISTにおけるKIT発現量定量とPPP2R1A 変異有無の確認を行った。それらの発現、変異データは臨床病理学的因子との解析を進めその特徴の同定を試みた。またKIT及びKCTD12に関わるタンパク質発現プロファイリングの作成に成功した。 また、GIST細胞株における各治療標的候補の抗腫瘍作用の検証を進めた。
3: やや遅れている
前年度に引き続き、GIST 臨床検体におけるKIT 発現量の予後因子としての可能性の検証として、順天堂大学医学部附属順天堂医院病理部に蓄積されているGIST 約100 例の ホルマリン固定パラフィン包埋検体(FFPE)を用いてDNA/RNAを抽出し、KIT変異を有するGISTにおけるKIT発現量定量とPPP2R1A 変異有無の確認を行った。それらの発現、変異データは臨床病理学的因子との解析を進めその特徴の同定を試みた。またKIT及びKCTD12に関わるタンパク質発現プロファイリングの作成に成功した。また、GIST細胞株における各治療標的候補の抗腫瘍作用の検証を進めた。PPP2R1Aのプロファイリング作成に難渋しており。そのためやや遅れた評価となる。
来年度もGIST臨床検体のコホート作成を引き続き進め、KIT 、PPP2R1A、KCTD12の発現プロファイリングを進め、またKIT及びKCTD12に関わるタンパク質発現プロファイリングの作成・解析も引き続き進める。また、GITS細胞株における各治療標的候補の抗腫瘍作用の検証を引き続き進める。
前年度に引き続き、GIST 臨床検体におけるKIT変異を有するGISTにおけるKIT発現量定量とPPP2R1A 変異有無の確認を行った。それらの発現、変異データは臨床病理学的因子との解析を進めその特徴の同定を試みた。またKIT及びKCTD12に関わるタンパク質発現プロファイリングの作成に成功した。また、GITS細胞株における各治療標的候補の抗腫瘍作用の検証を進めた。PPP2R1Aのプロファイリング作成に難渋しており。それらが次年度使用額の生じた理由となる。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)
PROTEOMICS Clinical Applications
巻: 13 ページ: 1800147~1800147
10.1002/prca.201800147
Scientific Reports
巻: 9 ページ: 20047
10.1038/s41598-019-56377-z
Journal of Orthopaedic Surgery
巻: - ページ: -
Clin Orthop Relat Res.
Human Pathology Case reports
巻: 16 ページ: 100289
巻: 16 ページ: 100288