研究課題
小細胞肺がんに対する放射免疫療法(RIT)と線維化阻害剤の併用治療実験を実施した。併用治療群ではRIT単独群と比べて縮小した腫瘍の再増殖が遅延する傾向が見られたが、観察終了時点で両群間に生存期間の有意差は認められなかった。胃がんのリンパ節転移を高精度に検出する診断手法の開発を目指し、胃がんモデルマウスによる抗体イメージング実験を実施した。胃がんに高発現しているタンパク質CDH17を標的とし、CDH17発現の胃がんモデルマウスに対し、放射性物質(RI)を標識した抗体によるイメージング実験を行った。抗CDH17IgGのRI標識体In-111標識抗CDH17IgGを用いたSPECTイメージング実験では、移植腫瘍への非常に高い特異的集積性が確認された。本結果は原著論文として、Annals of Nuclear Medicine(2019年)に発表した。血中半減期の改善を目指し、抗CDH17IgGを人工的に改変した「抗CDH17ミニボディ」を開発した。抗CDH17ミニボディのRI標識体「Cu-64標識抗CDH17ミニボディ」を用いたPETイメージング実験では、マウス移植腫瘍への特異的集積性に加え、抗CDH17IgGと比べて極めて迅速な体外へのクリアランスを得ることに成功した。これにより、投与から撮像まで約1週間程度を要する抗CDH17IgGよりも短時間(24~48時間程度)での撮像が実現できる可能性が得られた。本成果は原著論文として、Nuclear Medicine Communications(2020年)に発表した。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Annals of Nuclear Medicine
巻: 34 ページ: 13-23
https://doi.org/10.1007/s12149-019-01408-y
Nuclear Medicine Communications
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