本研究は社会ストレス脆弱性に対し、カルボニルストレスがいかに影響を与えるのか、マウスの社会的敗北ストレス負荷モデル、ヒトの血液・尿サンプルを用い検討を行った。 遺伝的なカルボニルストレス亢進モデルとしてGlo1KOと野生型マウスを用い、慢性的社会的ストレスを負荷し、その後の社会性機能低下を評価したが、明らかな差は認められなかった。一方で、ヒトにおいて血液中の反応性カルボニル化合物の一つメチルグリオキサールが心理検査における不安指標と関連することを明らかとした。さらに思春期疫学研究より、カルボニルストレスが低筋力の児において生じやすく、その後の思考障害などの精神症状と関連しうることを明らかとした。
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