病理イメージングを用いたタウオパチーにおけるタウ-グリオーシス相互作用の解明

2021 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 18K15357
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 原田 愛子 (石木愛子) 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (30778634)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: アルツハイマー病 / タウ / MAO-B / PET

研究実績の概要

本研究の目的は健常人、アルツハイマー病、非アルツハイマー病タウオパチー患者を対象に新規タウ選択的PETトレーサー18F-Cpd.Aと部分的MAO-B PETトレーサー18F-THK5351を用いた縦断研究を行い、脳内におけるタウ病理、グリオーシスの時間的・空間的因果関係を明らかにすることである。部分的MAO-B PETトレーサーについて、当初予定していた18F-THK5351から、非特異的結合を除去した最適化MAO-B選択的PETトレーサー18F-SMBT1が開発され、こ
れによる評価に切り替えることとした。
2021年度は18F-SMBT1・11C-PiBのPET scanを特定臨床研究として実施した。新規に健常者4名、アルツハイマー病患者1名をリクルートし、動脈血採血を含めたdynamic scanを2例、static scanを3例、また2020年度に実施した例のフォローアップスキャン（static scan）を1例実施した。すべて明らかな有害事象無く終了し、血中動態解析を実施し、解析方法の最適化を検討している。目標症例数に達していないため、2022年度も引き続き健常人・アルツハイマー病患者でのdynamic scanを実施し解析を進める予定となっている。

タウPETトレーサー18F-Cpd.Aすなわち18F-SNFT1は現在もヒト投与に向け準備中であり、毒性試験を終了し、現在臨床試験の実施に向け自動合成装置の準備中である。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

PET撮影のためのサイクロトロンを含めた施設の工事および地震発生による点検が生じ、一定期間の検査中断を余儀なくされた。また新型コロナウイルス感染症流行のため被験者リクルートが遅れている。

今後の研究の推進方策

サイクロトロンを含めたPET施設の工事は完了しており、2022年初頭から研究を再開している。1年間研究期間を延長し（延長申請受理済）、引き続き研究を継続する。

次年度使用額が生じた理由

PET撮影のためのサイクロトロンを含めた施設の工事および地震発生による点検が生じ、一定期間の検査中断を余儀なくされ、また新型コロナウイルス感染症流行のため被験者リクルートが遅れたため、次年度使用額が生じた。現在サイクロトロンを含めたPET施設の工事は完了しており、2022年初頭から研究を再開しており、1年間研究期間を延長し（延長申請受理済）、引き続き研究を継続し、予算を執行する。

研究成果

• [国際共同研究] Melbourne University(オーストラリア)
  • 国名: オーストラリア
  • 外国機関名: Melbourne University
• [雑誌論文] 18F-THK5351 Positron Emission Tomography Imaging in Neurodegenerative Tauopathies (2021)
  • 著者名/発表者名: Ezura M, Kikuchi A, Okamura N, Ishiki A, Hasegawa T, Harada R, Watanuki S, Funaki Y, Hiraoka K, Baba T, Sugeno N, Yoshida S, Kobayashi J, Kobayashi Mm Tano O, Ishiyama S, Nakamura T, Nakashima I, Mugikura S, Iwata R, Taki Y, Furukawa K, Arai H, Furumoto S, Tashiro M, Yanai K, Kudo Y, Takeda A, Aoki M
  • 雑誌名: Frontiers in Aging Neuroscience 巻: 13 ページ: -
  • DOI: 10.3389/fnagi.2021.761010
  • 査読あり / オープンアクセス