研究課題
本研究の目的は健常人、アルツハイマー病、非アルツハイマー病タウオパチー患者を対象に新規タウ選択的PETトレーサー18F-Cpd.Aと部分的MAO-B PETトレーサー18F-THK5351を用いた縦断研究を行い、脳内におけるタウ病理、グリオーシスの時間的・空間的因果関係を明らかにすることである。部分的MAO-B PETトレーサーについて、当初予定していた18F-THK5351から、非特異的結合を除去した最適化MAO-B選択的PETトレーサー18F-SMBT1が開発され、これによる評価に切り替えることとなった。一方でタウPETトレーサー18F-Cpd.Aすなわち18F-SNFT1は毒性試験を終了し、注射剤製造法が確立されたが、本研究期間中の臨床試験の実施には至らなかった。しかし次年度の臨床試験実施に向け着実に準備を進めている。このため本研究期間中は18F-SMBT1・11C-PiBのPET scanを特定臨床研究として実施した。健常者、アルツハイマー病患者、軽度認知症患者、前頭側頭葉変性症患者、レビー翔太型認知症患者に対し、動脈血採血を含めたdynamic scanおよびstatic scan、健常者一部のフォローアップスキャン(static scan)を実施した。結果、全般的にアミロイド高集積部位の周辺に[18F]SMBT-1の高集積部位が拡がる傾向が観察され、神経炎症が活発な部位に多く結合している傾向が示された。
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