研究課題/領域番号 |
18K15370
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
俵 望 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (00802109)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 孤発性封入体筋炎 / 抗cN1A抗体 / 自己免疫機序 / 蛋白分解機構 |
研究成果の概要 |
孤発性封入体筋炎(sIBM)は高齢発症の難治性筋疾患である。近年患者血清中に自己抗体「抗cN1A抗体」が同定され、病態解明の端緒と期待されている。本研究ではcN1Aペプチドの能動免疫マウスを開発し、治療法開発を目指した。3種類のcN1Aペプチドをマウスに能動免疫し、臨床病理学的に解析した。cN1Aペプチド接種群において、抗cN1A抗体が検出され、体重が減少し、運動機能が低下した。またペプチド接種群で内在核線維の増加、CD8陽性リンパ球の浸潤がみられ、p62やLC3-IIの発現が亢進した。本マウスは、sIBMに類似する臨床病理学的特徴を再現し、病態解明および治療法探索の有用なツールとなる。
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自由記述の分野 |
脳神経内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はsIBMに検出される自己抗体の標的抗原を免疫するマウスを作成し、自己免疫的病態と蛋白分解経路異常との関連性を解明し、本疾患の病態を模した初めてのモデルマウスを確立した。同時に有効な治療法のないsIBMの治療法開発のツールとなり、マウス血清中の本抗体の病原性を再度抗体移入実験によって検証し、抗体除去治療研究も行うことが可能となる。さらにcN1A特異的なT細胞やB細胞を増殖、活性化させ野生型マウスに移入することでcN1A特異的リンパ球の病原性についても検証できる。これらの液性免疫因子および細胞性免疫因子の病原性を深く検証することで、疾患特異的な治療法開発を行うことが可能となる。
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