薬物治療抵抗性うつ病患者を30名厳密に組み入れし、TMS-EEG法による神経生理実験を実施した。さらにうつ病患者の年齢と性別とマッチさせた健常者30名の組み入れとTMS-EEG実験を実施した。具体的には、左背外側前頭前野(DLPFC)におけるGABA(A)受容体介在性神経生理機能(SICI)、グルタミン酸受容体介在性神経生理機能(ICF)、神経可塑性神経生理機能(PAS)を計測した。その結果、治療抵抗性うつ病患者では、健常群と比べ、DLPFCにおけるICFによるグルタミン酸作動性興奮機能が相対的に上昇している可能性、およびPASによる神経可塑性機能の発現が低下している可能性が示唆された。
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