研究課題
本年度は多発性硬化症モデルマウスとして確立している髄鞘の主要構成蛋白質であるプロテオリピド蛋白(PLP)を過剰発現させたPLPトランスジェニックマウス(PLPtgマウス)と免疫・炎症調節因子Indoleamine 2,3-dioxygenase (IDO)2欠損マウスを掛け合わせたダブルトランスジェニックマウス(PLPtg/IDO2 KOマウス)の行動評価を中心に行なった。昨年度までに我々は、PLPtg/IDO2 KOマウスにおいて運動機能低下や生存率の低下等が認められることを見出した。そこで、運動機能低下についてより詳細に解析するためPLPtg/IDO2 KOマウスを用いて自発運動量測定試験、Hanging Wire試験、RoterRod試験により詳細に解析を進めた。自発運動量測定試験では、PLPtg/IDO2 KOマウスにおいて対照群と比較して自発運動量が減少する傾向にとどまっていた。一方、Hanging Wire試験あるいはRoterRod試験ではより顕著な障害が認められた。本試験より、高齢期では対照群と比較して大きな差は認められなかったものの脱髄が惹起され始める若年期で対照群よりもより症状の進行が早く進んでいることが明らかとなった。以上のことから、IDO2が脱髄進行の制御因子として機能している可能性が示唆された。さらに、それは自発的な運動よりも協調運動等でその障害がより大きく認められることが明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件)
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