多発性硬化症は、髄鞘が破綻する免疫介在性の炎症を特徴とする自己免疫疾患である。我々は以前に慢性脱髄モデルマウスであるPlp4e/-マウスの解析から、脱髄領域においてトリプトファン代謝酵素Indoleamine 2,3-dioxygenase 2(IDO2) が誘導されることを発見した。本研究では、Plp4e/-マウスにおけるIDO2欠損がどのような影響を与えるか行動学的解析により検討した。我々はPlp4e/-マウスでのIDO2欠損が脱髄症状を惹起することを明らかにした。以上の結果より、IDO2が脱髄進行の制御因子として重要な役割を担う可能性があることが示唆された。
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