アルツハイマー病において、過剰リン酸化タウを主成分とする神経原線維変化は、最初期に青斑核、嗅内野に出現する。ウォルフラム症候群の原因遺伝子WFS1の発現レベルを抑制すると、神経細胞がタウ神経毒に対して脆弱となることから、本研究ではWFS1の発現レベルがタウ病理進行と神経変性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。15ヶ月齢のWfs1欠損マウスにおいて内在性のタウ病理は認められなかったため、マウス脳でタウ病理を創出するためには人為的にタウの産生を加速させる必要があると考え、アデノ随伴ウイルスベクターを用い、青斑核におけるタウ病理の創出に成功した。
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