緩和医療専門医に対する調査研究【2018~2020年度】 先行研究の系統的レビューおよび専門家による合議から、がん患者の呼吸困難の症状緩和治療に関する調査票を作成し、数名の緩和医療専門研修中医師をサンプルとして外的妥当性を検証したのちに、全国の緩和医療専門医に対して調査票を郵送し、回収した。回収データの入力・クリーニング・固定を行い、解析を行った。解析で得られたデータを、国内の緩和医療専門医のがん呼吸困難並びに死前喘鳴に対する症状緩和治療の傾向としてまとめ、学会発表6件、査読ありの英文学術誌への掲載 7件を行った。 がん呼吸困難に対するオピオイド治療のレジストリ研究【2020~2022年度】 全国12施設における緩和ケア専門サービス介入中のがん患者の呼吸困難に対する症状緩和のためのオピオイド治療に関するレジストリ研究を準備し、各参加施設において倫理審査を完了したのちに、症例集積を開始した。途中、新型コロナウィルス感染症の影響もあり、予定よりも症例集積に時間を要していたが、症例登録数が2021年8月に予定症例数まで到達し、症例集積を完了した(最終的に 402例集積)。データの固定・クリーニングを行ったのちにデータを解析した。まとめた結果は、がん呼吸困難に対するオピオイド治療に関する世界最大規模のリアルワールドデータとなり、オピオイド開始72時間後までに80%以上の症例で呼吸困難が有意に改善することなど得られた結果を査読ありの英文学術誌へ掲載した。
|