研究課題
本申請では、細菌感染した免疫細胞からのmicroRNAが血小板へ与える細胞間コミュニケーションのツールとしてなり得るかを知る前段階として「レジオネラ菌感染がマクロファージに及ぼす形質変化の分子機序解明」を目的とし、次の2点についてin vitroで検討をおこなった。(1) L. pneumophila をマクロファージ(宿主)に感染させたときのマクロファージのmiRNA発現量の量的・質的変化を検討した。(2) 得られた結果よりmiR-218に注目し、miR-218がL. pneumophila 感染したマクロファージにどのような機能変化をもたらすかを検討した。細胞実験は、ヒト単核球系細胞 (U937細胞)を使用し、phorbol 12-myristate 13-acetate (PMA: 50ng/mL)で2日間分化させたものをマクロファージ様細胞として使用した 。miRNAおよびmRNAの発現はリアルタイムPCRを使用した。蛋白質発現の評価は、ウェスタンブロット法を用いた。今回、miR-218のターゲットとしたRICTORは、mTOR複合体のmTORC2の構成タンパク質の一つである。RICTORのノックダウンおよびmiR-218の発現増強、減弱には、Lipofectamine RNAiMAX とRICTOR silencing RNAおよびmiR-218 mimics・miR-218 inhibitorを細胞内に導入し、細胞機能変化を解析した。今回、申請者はL. pneumophila 感染によるマクロファージのサイトカイン産生の制御に、miR-218が関与することと、miR-218で発現が抑制されるRICTORの役割を初めて明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
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