研究課題/領域番号 |
18K15404
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
奥見 裕邦 近畿大学, 医学部, 講師 (80441038)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 低FODMAP食 |
研究実績の概要 |
当院栄養部と共同で、日本版の低FODMAP食マニュアルともいえる、入院用低FODMAP食献立表及び入院外来兼用の外来用栄養指導表を本邦で初めて作成し、低FODMAP食の導入及び栄養指導を過敏性腸症候群患者に施行することで、症状改善を評価する。過敏性腸症候群は、機能性消化管疾患の中で最も患者数が多く、中等症以上になると日常の社会生活に支障をきたし、薬物治療に抵抗性を持つことが少なくない。 こうした患者に、行動医学的見地に基づき、生活習慣として低FODMAP食の有用性を示すことで、本疾患患者における新たな治療指針の確立を期待できる。具体的には過敏性腸症候群を有する患者に対して、2週間の入院加療により低FODMAP食の栄養指導及び導入を実施し、腹部症状の変化及び精神症状と生活の質の改善を評価し、食事による臨床的有用性を示すことを目的とした研究である。現在まで外来通院を経て、入院による研究評価に至った4症例について集積しており、そのデータを保存解析中である。現時点では症例集積数は少ないが、低FODMAP食による症状改善傾向を示している。また研究に関わる心理検査、症状評価による、被験者への肉体的・精神的苦痛が発生する可能性も僅かながら存在したが、現在まで低FODMAP食の食事内容等による有害事象はない。但し食事での非特異的なアレルギー反応発生の可能性は幾分残るため、担当医が適宜対応しながら、当院の規定に従い有害事象報告を行なう予定である。学会での同研究報告は、日本心療内科学会及び心身医学会の総会及び学会誌にて本研究及びその関連事項を報告し、さらなる症例集積を目論んだ。昨年度はコロナ感染拡大のため、学術投稿に終始したが、感染収束後は、米国消化器病週間などに機会を探り、過敏性腸症候群における有効な非薬物的治療として、研究論文に反映できるよう予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により、院内及び他院消化器内科からの症例紹介の集積が思わしくないことが、研究実施に大きな障害となった事は否めない。この改善策として、単独施設から多施設共同の研究に昇華すべく、協力しうる関係機関とも連絡をとることも目指した。しかしコロナ感染の影響で、機能性疾患の入院を要する本研究が、各施設の病床利用の制限もしくは入院を忌避しようとする患者及び医療者側の心理的傾向を加えて、研究実施の導入について保留の状況となっている。現状において当施設単独の研究に固定せざるを得ないことが、症例集積の大きな足かせとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
既に機能性消化器疾患を専門とする消化器心身外来を再開し症例集積に努めている。上記事項を鑑み、紹介患者の流入を促進するため院内及び学内の広報、もしくはSNSやメディア媒体を通じ広く本研究について広報する予定である。引き続き多施設共同研究のパートナーを、愛知医科大学以外にも声かけし、研究対象施設を増やし、症例集積を促進する予定である。ただしいずれもコロナ感染による影響は不可避かつ、その収束も未知数であり研究期間の延長については、さらに求めざるを得ない可能性も有ると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究内容を検討する上で、前年不履行であった以下の活動を再度検討し、使用額として予算計上している 1)統計処理を行うためのソフト及び機器の購入、2事務要員の一時雇用、3)データ採取に必要な資材購入、4)論文及び学会での情報収集及び参加及び発表、5)海外の研究機関との意見交換のための通信費用 6)論文における翻訳会社への依頼 上記予定は、コロナ感染の影響もあり、履行に支障がみられた、もしくは使用する段階に未到達であった項目ばかりであるが、予算として引き続き計画するものとした。
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