研究課題/領域番号 |
18K15426
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
及川 公樹 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (20805337)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 頚動脈プラーク / 造影超音波検査 / 頚部内頚動脈狭窄症 / 頚動脈内膜剥離術 / superb-vascular imaging |
研究実績の概要 |
これまで我々は、造影剤を用いた術前頚動脈超音波エコー(CEUS)の定量化に成功し、脳梗塞予防のため行われる血行再建術後周術期合併症の予知を可能とした。一方で、アレルギーなどで造影剤投与が困難な患者も存在することから低侵襲な検査であるSMIの定量化が急務となっている。 本研究は、研究期間を2年(平成30年度~令和元年度)とし、超音波エコー装置による非造影微小血管イメージングSuperb Microvascular Imaging(SMI)定量法を確立することで、SMIに基づく完全無侵襲頚動脈プラーク脆弱性診断法の確立を目指している。現在までの進行状況としては、頚動脈内膜剥離術の術前検査としてCEUSおよびSMI、脳循環検査(gas PET,SPECT)を行い、現在までで40症例のデータを収集できている。今年度末には予定の60症例に達する予定である。対外的な活動としては、2018年4月にドイツにて開催されたComputer Assisted Radiology and Surgeryにて、これまで我々が行ってきたCEUSによる血行再建術後周術期合併症の予知に関しての研究成果の報告を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、当院にて頚動脈内膜剥離術を行う患者を対象に解析データの収集を行っている。 術前精査ではSMIに加え、従来通りの造影超音波検査、gas PETおよびSPECT撮像を行っている。現在までで40症例のデータを収集できおり、今後の予定手術を含めると今年度中には60症例に到達する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
現段階での予定手術を含めると本年度中に60症例に達する予定である。ソフトウェアの開発に関しては研究データの収集を進めつつ継続して行っており、より汎用性のある解析ソフトウェアへのカスタマイズを本学研究協力者と進めている。 今後、同症例については元データの取り出しを開始しSMI 定量値の検討を行う予定としている。また、頚動脈内膜剥離術中に摘出したプラークの病理標本に関しても血腫、脂質・壊死、線維化の各領域をCEUSおよびSMIにて比較し、これらを区別するカットオフ値を決定する予定である。本年度末には、SMI定量値を用いた頸動脈プラーク不安定性推定法と内膜剥離術中脳塞栓発症予知法を確立し全60症例のデータについて統計解析後、論文投稿を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定していた検査数は概ねクリアできているが、頚動脈の石灰化が強く超音波検査を実施できない症例も多くあったため予定より試薬に用いる予算を消化できなかったためと考えている。今後、症例の蓄積に伴い試薬購入数の増加が見込まれることや、解析に使用する必要物品に関して次年度に計上するものが多くあるため予定金額は全て使用できる見通しである。
|